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障害児支援の安全計画はいつから義務? 作成する内容と事故報告の流れ

公開 2026-08-18

執筆
フクシルベ編集部
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まず全体像

安全計画の運用サイクル

  1. 年度が始まる前に、その年度の安全計画を作る
  2. 職員に安全計画を周知し、研修・訓練を定期的に行う
  3. 設備や散歩コースを少なくとも毎学期1回(年3回)以上点検する
  4. 定期的に計画を見直し、必要なら変更する
障害児支援の安全計画はいつから義務? 作成する内容と事故報告の流れの内容を表したイラスト
現場の一場面の構図

障害児通所支援事業所や障害児入所施設では、安全計画の作成が令和6年4月1日から義務になっています。 令和6年7月4日、こども家庭庁は通知「障害児支援における安全管理について」を出しました。 あわせて「障害児支援の安全管理に関するガイドライン」も作りました。 安全計画に何を書くか、事故が起きたらどこに報告するかが、この通知で整理されています。

安全計画の作成はいつから義務?

令和4年改正児童福祉法により、「児童の安全の確保」については国が定める基準に従うことになりました。 これを受けて、障害児通所支援・入所支援では次の流れで安全計画を作ることになりました。

  • 令和5年4月1日から: 作成が努力義務
  • 令和6年4月1日から: 作成が義務

指定基準で求めているのは、次の3つです。

  1. 安全計画を作り、それに従って必要な措置をとる。計画の内容は、設備の安全点検、日常生活の安全に関する指導、職員の研修・訓練などです
  2. 職員に周知し、研修・訓練を定期的に実施する
  3. 定期的に見直し、必要に応じて変更する

計画は年度ごとに、その年度が始まる前に定めます。

安全計画には何を書く?

通知では、安全計画の内容として次のようなものが挙げられています。

  • 安全点検: 備品、遊具、防火設備、避難経路など。散歩コースや公園など、定期的に使う場所も含める
  • マニュアルの作成・共有: 次の場面ごとに、役割分担と注意点を決める
  • 通常の支援の場面
  • リスクが高い場面(午睡、食事、プール、水遊びなど)
  • 緊急対応が必要な場面(災害、不審者の侵入、火事など)
  • こどもへの安全対策の周知: 事業所での安全、事故が起きたときの行動、交通安全など
  • 保護者への説明・情報共有: 安全計画や安全の取組を説明する
  • 職員の研修・訓練: 避難訓練、救急対応の実技講習、不審者の侵入を想定した訓練など
  • 再発防止策の徹底: ヒヤリ・ハット事例を集めて、分析し、共有する
  • その他: 地域住民・関係機関との連携、登降園システムを使った安全管理など

記載例はガイドラインのp37〜40にあります。 また、令和5年7月4日の事務連絡も参考資料として示されています。 名前は「障害児通所支援事業所等における安全計画の策定に関する留意事項等について」です。

安全点検はどのくらいの頻度で行う?

設備などの点検は、計画やマニュアルを作るときだけ行うものではありません。 少なくとも毎学期1回(年3回)以上、定期的に行います。

  • 事前にチェックリストを用意する(ガイドラインp41・42に例)
  • 1人ではなく複数名で点検する
  • 危険な箇所が見つかったら、すぐに対策を話し合い、改善する

場面ごとの事故防止のポイント

通知には、活動場面ごとの取組例が示されています。

場面取組の例
睡眠仰向け寝、口の中の異物の確認、定期的な呼吸・体位・睡眠状態の確認
食事咀嚼・嚥下機能、食行動の発達状況、アレルギーなどの情報を職員間で共有
プール・水遊び監視者とプール指導者を分けて配置、色のはっきりした帽子の装着
送迎チェックシートを運転手席に備え付け、目視・点呼・乗降車確認・記録
散歩・外遊び手をつなぐ、常時の人数確認、先頭と最後に職員を配置。飛び出しの危険がある場合は必要に応じて一対一対応

また、調査研究の報告では、サービスごとに事故の傾向が違うことが示されています。

  • 児童発達支援: 食事中の誤嚥や窒息、転倒・衝突、遊具・窓からの転落、アレルギーなどで重篤な事故が発生
  • 放課後等デイサービス: 行方不明・見失い中(溺水など)、誤嚥や窒息、転落が起きています。医療的ケア、てんかん発作を含む病気、交通事故もあります
  • 障害児入所施設: 全体に事故の発生率が高く、生活全般で幅広い安全対策が必要

支援の時間が長いときや集団支援のときは、より事故が起こりやすい傾向も報告されています。 まずは自分の事業所の活動内容・スケジュール・場所を振り返り、どこに危険があるかを全職員で話し合うことが出発点です。

事故が起きたら、どこに報告する?

指定基準では、事故が発生した場合は速やかに次へ連絡し、必要な措置をとることになっています。

  • 障害児通所支援事業所: 都道府県、市町村、こどもの家族など
  • 障害児入所施設など: 都道府県、こどもの家族など

どのような事故のとき、どのような方法で報告するかは自治体ごとに決められています。 通知では、必ず都道府県や市町村のホームページなどで確認しておくよう書かれています。

また、事故が消費者事故等にあたる場合は、消費者安全法により消費者庁への通知も必要です。詳細は消費者庁の「消費者事故等の通知の運用マニュアル」を参照します。

国への重大事故報告は今後どうなる?

保育所や幼稚園などの教育・保育施設等には、重大事故が起きたときに国へ報告する仕組みがあります。 報告は市町村・都道府県を通じて行います。 重大事故とは、死亡事故、意識不明の事故、治療に30日以上かかる負傷・疾病を伴う重篤な事故です。

障害児支援でも、同様の報告の仕組みと、事故情報を集約・公表する仕組みの構築を検討していくと通知に書かれています。準備のため、教育・保育施設等の報告様式が「様式のイメージ」として示されました(通知の別紙2)。仕組みの詳細は、検討が進みしだい示される予定です。

事故が起きた後にすること

事故の後は、検証を行い、要因を分析して、再発防止に取り組みます。

  1. 事故後の検証を行う
  2. 「防げる事故だったか」「同じような事故を防ぐには何をすべきか」という視点で再発防止策を検討する
  3. 再発防止策を安全点検の実施箇所やマニュアルに反映し、職員間で共有する
  4. 取組状況に応じて、随時見直す

死亡事故などの重大事故に限らず、それ以外の事故でも、事業所が自ら検証して再発防止を進めることが大切です。 ヒヤリ・ハット事例の収集・分析も有効です。報告の手順や様式を整え、報告しやすい雰囲気を作り、職員会議などで共有します。

管理者の視点

安全計画は作って終わりではなく、指定基準は「周知」「定期的な研修・訓練」「定期的な見直し」までを求めています。 通知は、計画やマニュアルを体得するための実践的な訓練を重視しています。 例として、読み合わせ、指差し確認、ロールプレイングが挙げられています。 自治体が行う研修や訓練は、常勤・非常勤にかかわらず全職員が受講することが重要と書かれています。 非常勤職員の受講もれがないかは確認しておきたいところです。 また、事故の発生防止は組織で対応することが重要です。 管理者のリーダーシップの下で、安全管理委員会の設置や、責任者・担当者の配置などの体制を作ります。

公式資料

報告の対象や様式は自治体ごとに違います。迷ったときは、指定権者の都道府県や市町村に確認してください。

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