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放課後等デイサービスの個別支援計画の書き方|記載項目の順番と5領域の入れ方

公開 2026-08-04|更新 2026-08-16

執筆
フクシルベ編集部
実務確認
fukube yuta
最終確認

まず全体像

5領域を踏まえた個別支援計画の作成フロー

  1. 本人・保護者の意向と生活全体をアセスメントする
  2. ニーズを整理し、5領域との関係と優先順位を検討する
  3. 目標・具体的支援・担当・提供時間を一貫して記載する
  4. 説明と同意を経て実施し、記録とモニタリングで見直す
放課後等デイサービスの個別支援計画の書き方|記載項目の順番と5領域の入れ方の内容を表したイラスト
現場の一場面の構図

個別支援計画に5領域を書くとき、いまある目標の末尾に領域名を付けるだけでは足りません。先に本人の生活とニーズをつかみます。そのニーズへの支援が、どの領域と関係するのかを考えます。

大切なのは、5領域を全て均等に埋めることではありません。アセスメントから目標、具体的支援、日々の記録まで、説明がつながっていることです。

この記事は放課後等デイサービスを中心に書いています。もとにした通知は、児童発達支援と放課後等デイサービスの両方が対象です。

計画書に書く項目と、書く順番

こども家庭庁の「個別支援計画の記載のポイント」は、項目を次の順につなげて書くよう示しています。

項目何を書くか期間の目安
利用児及び家族の生活に対する意向本人と家族から聴いた意向を、発達段階や特性の理解と合わせて整理する
総合的な支援の方針事業所としての見立てと、どう支援していくかの方針1年を目途(それ以上も可)
長期目標方針を受けて目指す姿概ね1年
短期目標長期目標を受けて目指す姿概ね6か月
支援目標及び具体的な支援内容等到達目標と、事業所が行う支援・工夫・配慮達成時期は最長6か月

上から下へ、説明が途切れないことが大切です。意向欄に書いたことが方針に出てこない、方針と長期目標が別の話になっている。こうした状態は見直しの対象です。

本人支援・家族支援・移行支援を書き分ける

「支援目標及び具体的な支援内容等」の項目欄には、次の4つを書きます。

  • 本人支援(必ず書く)
  • 家族支援(必ず書く)
  • 移行支援(必ず書く)
  • 地域支援・地域連携(必要に応じて書く。積極的に取り組むことが望ましいと示されています)

家族支援の例には、発達の理解に向けた相談援助やペアレントトレーニングがあります。ほかに、預かりニーズへの対応、保護者同士の交流の機会、きょうだいへの相談援助も入ります。

移行支援は、保育所等への具体的な移行だけを指すものではありません。入園や入学を見据えた準備、併行利用先や学校との情報共有、同年代の子どもとの仲間づくりも含みます。

主語にも決まりがあります。本人支援の到達目標は、本人や家族が主語になるように書きます。移行支援と地域支援・地域連携は、事業所や関係機関が主語になることもあるため、柔軟に扱ってよい形です。

5領域はアセスメントの視点として使う

5領域は次の5つです。

  • 健康・生活
  • 運動・感覚
  • 認知・行動
  • 言語・コミュニケーション
  • 人間関係・社会性

通知は、5領域の視点でアセスメントを行い、5領域を網羅した支援を行うよう示しています。あわせて、5領域に課題や支援を当てはめるだけの計画作成にならないよう注意も書かれています。

計画書での扱いも同じです。本人支援の欄には、5つの領域すべてとの関連性を書きます。ただし5つの欄を作って、領域ごとに別々の目標を立てる必要はありません。

埋める枠として扱うと、支援の中身より領域名の並びが先に決まります。たとえば「運動・感覚」の欄を空けたくないために、本人が求めていない粗大運動の目標を毎期入れてしまう形です。関連性を書く欄であって、領域ごとに支援を1本ずつ用意する欄ではありません。

たとえば「集団活動に入りにくい」という様子だけを見て、人間関係・社会性の課題と決めるのは早すぎます。音への敏感さ、見通しの持ちにくさ、言葉で助けを求める難しさ、体調が関係している可能性もあります。

本人の強みと環境の要因も含めて整理し、本人に合う参加の方法を考えます。領域は、子どもを分類するラベルではありません。

まず確認する4つのつながり

段階確認する問い
アセスメント本人・保護者が困っていること、できていること、望む生活は何か
ニーズと目標今期に優先して取り組むことは何か
具体的支援誰が、どの場面で、どのように関わるか
記録・評価何を観察すれば変化や支援の適否を判断できるか

この4つがつながっていれば、領域名だけに頼らずに支援の根拠を説明できます。

目標と具体的支援の書き分け

「コミュニケーション能力を高める」のような抽象的な書き方だけでは、職員ごとに支援が変わります。次の順で具体的にします。

  1. 本人の意向や生活の上でのニーズを書く
  2. 計画の期間内に目指す本人の姿を目標にする
  3. 職員の環境調整、声かけ、教材、選択肢を具体的支援にする
  4. 確認する行動や場面を決める

たとえば「困ったときに自分に合う方法で助けを求められる」を目標にするとします。具体的支援には、次のようなことを書きます。

  • 絵カードを選べる場所へ置く
  • 職員が選択肢を示す
  • 要求が伝わった直後に応じる

評価では、言葉だけを成功の条件にしません。本人が使える方法と場面を記録します。

達成時期と優先順位の付け方

達成時期は、支援目標を達成するために必要な期間で決めます。個別支援計画は6か月に1回以上の見直しが必要なので、達成時期も最長で6か月後までです。1〜3か月で達成する目標も積極的に検討するよう示されています。

優先順位は、本人支援の各支援内容について付けます。番号を振っても、二重丸や丸で優先度を示してもかまいません。優先度を付けられない場合は、空欄にすることや同じ番号にすることも認められています。家族支援、移行支援、地域支援・地域連携には、優先順位の記載は要りません。

加算を想定した取組を支援内容に入れた場合は、留意事項の欄に加算名と頻度を書きます。専門的支援実施加算のように別の計画を作る加算は、個別支援計画との関連性も書きます。

支援時間と延長支援時間も実態に合わせる

個別支援計画には、計画的に提供する支援の時間をはっきり書きます。延長支援を予定する場合は、その必要性と時間帯も計画に整理します。

営業時間をそのまま全員の支援時間にはしません。利用の予定、学校が終わる時刻、送迎、本人の負担、家族の状況から決めます。実際の提供時間と計画のずれが続く場合は、記録を計画に合わせるのではなく、計画を見直します。

作成会議・説明・同意・交付までを記録する

完成した計画だけでなく、作る過程も大切です。次のことを記録します。

  • アセスメントを行った日と参加者
  • 原案作成の根拠にした本人・保護者の意向
  • 個別支援会議の開催日、参加職種、出た意見
  • 本人・保護者へ説明した日、説明者、同意日
  • 計画を交付した日と方法
  • 関係機関へ共有した場合の同意と共有先

同意欄の署名だけで済ませません。どのような説明をし、疑問や希望にどう対応したかが分かるようにします。

モニタリングは日々の記録から行う

モニタリングの直前に記憶で評価すると、担当者の印象にかたよります。日々の支援記録には、次の3つを短く残します。

  • 具体的支援を実施したか
  • 本人がどう反応したか
  • 環境や体調はどうだったか

達成・未達成だけを見るのではありません。支援方法が合っていたか、本人の負担が増えていないか、新しいニーズがないかを確認します。計画期間の途中でも、大きな変化があれば見直します。

支援目標や支援内容が長期にわたり同じままであることは、想定されていません。同じ文言が続いているときは、達成したのか、目標が本人に合っていなかったのかを確かめます。

よくある見直しサイン

  • 意向欄に書いたことが、総合的な支援の方針に出てこない
  • 全ての目標に5領域を並べただけで、優先順位が分からない
  • 本人支援の欄に、5領域との関連性が書かれていない
  • 目標が職員の行動になっていて、本人の目指す姿が見えない
  • 具体的支援が「声かけする」「見守る」だけになっている
  • 達成時期が6か月より先になっている
  • 日々の記録から、目標の評価に必要な情報を拾えない
  • 支援プログラムと個別支援計画の方針が食い違う
  • 実際の提供時間と計画上の時間がいつもずれている

児発管の視点

児発管がここで見るのは、計画が職員に伝わる形になっているかどうかです。計画を書くのは児発管ですが、支援するのは現場の職員です。書いた本人にしか分からない計画は、モニタリングのときに評価できません。

詰まりやすいのは支援内容の粒度です。「声かけする」「見守る」だけでは、職員ごとにやることが変わります。誰が、どの場面で、何を用意するのかまで書くと、記録に何を残せばよいかも決まります。

もう一つは意向欄の書き方です。保護者の言葉をそのまま1行だけ写すと、方針や目標につながりません。聴いた内容を、発達段階や特性の理解と合わせて整理してから書きます。

公式資料

項目ごとの書き方は、令和6年度報酬改定の資料にある「個別支援計画の記載のポイント」(別紙1)にまとまっています。記載例そのものは、同じ資料の「個別支援計画(参考記載例)」(別紙3)にあります。どちらも上の3つ目のリンク先から探せます。

自治体が参考様式や確認方法を別に示す場合があります。様式だけで判断せず、最新の指定基準、報酬通知、指定権者の案内を確認してください。

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