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個別サポート加算(Ⅲ)|不登校児童の対象要件と計画時間・延長支援の扱い

公開 2026-08-07|更新 2026-08-13

執筆
フクシルベ編集部
実務確認
fukube yuta
最終確認

まず全体像

実務フロー

  1. 公式資料と対象条件を確認する
  2. 対応後に提出物と判断根拠を記録する
個別サポート加算(Ⅲ)|不登校児童の対象要件と計画時間・延長支援の扱いの内容を表したイラスト
現場の一場面の構図

個別サポート加算(Ⅲ)は、不登校の障害児を支援したときに算定できる加算です。学校・家庭と連携して支援することが前提です(令和6年度報酬改定で創設)。区役所への事前の申請手続きや受給者証への印字は不要です。代わりに必須なのが、保護者の同意学校との月1回以上の情報共有家庭への月1回以上の相談援助、そしてそれぞれの記録です。こども家庭庁の事務連絡(令和6年4月22日付)と、その別紙・横浜市の通知をもとに整理します。

なぜできた加算か

文部科学省の調査では、小・中学校の不登校児童生徒数が約29万9千人(令和4年度)で過去最多になりました。放課後等デイサービスにも、不登校の障害児を受け入れて支援している事業所があります。こうした実態から、令和6年度報酬改定で本加算ができました。

事務連絡が示す趣旨は、こう要約できます。

  • 不登校の障害児への支援は、事業所だけでは完結しない。学校・家庭・その他の関係機関と協働で行う
  • 発達支援に加えて、学校と日常的に情報共有しながら支援すること
  • 家族への相談援助を丁寧に行うこと
  • この「学校・家庭との緊密な連携の下で行う支援」を報酬で評価する

対象になる児童

国の定義は次のとおりです。

何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくてもできない状況にあるため、長期的継続的もしくは断続的に欠席している障害児(病気や経済的な理由による者は除く。)

欠席日数の基準はありません。 直近の欠席状況をもとに、学校・家庭・事業所の三者が共通理解のうえで判断します。

要件はほかにもあります。先に保護者の同意を得て学校と情報共有すること。そのうえで、事業所と学校が緊密に連携して支援する必要がある、と判断された児童であることです。

想定されている場面にも注意してください。この加算が想定するのは、すでに信頼関係のもとで通所している児童が不登校になった場合です。その事業所が学校・家庭と連携して支えるケースを指します。通っていなかった不登校児童を新たに集めて支援することは想定されていません。 信頼関係ができていない段階で、加算算定への同意や連携を一方的に求めてはいけません。児童本人に好ましくない影響が出るおそれがある、と事務連絡は注意しています。

なお、対象は障害児通所給付費の給付決定を受けて放課後等デイサービスを利用している児童です。不登校であることだけを理由に、給付の対象になるわけではありません。

算定要件

要件内容
学校との連携保護者の同意を得たうえで学校と日常的に連携し、個別支援計画に位置付ける(計画の作成は学校と連携して行う)。情報共有は月1回以上行い、要点を記録する
家庭との連携障害児の家族と連携を図り、相談援助(居宅への訪問・対面・オンラインいずれの方法でも可)を月1回以上行い、要点を記録する
市町村への対応市町村(教育担当部局又は障害児支援担当部局)から学校・家庭との連携状況や支援状況について確認があった場合は、状況を回答する

授業終了後の利用でも算定できます。逆に、不登校であることだけでは算定できません。 学校・家庭との連携という実態があって、はじめて要件を満たします。

市町村の審査はどこを見るか

この加算は、通所給付決定のときに市町村が対象かどうかを決めるものではありません。受給者証へ印字もされません。市町村は請求の審査のときに、必要に応じて事業所へ個別に確認します。確認されるのは、学校・家庭との連携の状況と、不登校の障害児への支援の状況です。

つまり、申請時のチェックではなく、請求後の審査で連携の実態を問われる加算です。月1回以上の学校連携・家庭連携の記録は、求められたらすぐ出せる状態にしておいてください。

計画時間・延長支援時間の扱い

実務でいちばん詰まりやすいのがここです。本加算を算定している場合は、学校・家庭との連携が図られている前提になります。そのため、授業時間帯にも計画時間(発達支援の時間)や延長支援時間を個別支援計画に位置付けられます。延長支援時間は計画時間の前・後・前後のどこにでも置けます。

利用パターンは別紙に載っています。別紙は「個別サポート加算(Ⅲ)を算定している場合の計画時間及び延長支援時間の取扱いについて」です。次のとおりです。

利用パターン前半の扱い後半の扱い
例1-1:午前から利用(前半を延長支援で算定)延長支援時間(2時間以上で算定)計画時間(時間区分2で算定)
例1-2:午前から利用(前半を計画時間で算定)計画時間(時間区分2で算定)延長支援時間(2時間以上で算定)
例2-1:午後から利用(前半を延長支援で算定)延長支援時間(2時間以上で算定)計画時間(時間区分2で算定)
例2-2:午後から利用(前半を計画時間で算定)計画時間(時間区分2で算定)延長支援時間(2時間以上で算定)
例3:授業終了後から利用する場合計画時間(時間区分2で算定)
参考:本加算を算定していない場合当該時間帯に支援が必要なときは、本加算の枠組みの下で支援を進める計画時間(時間区分2で算定)

留意点は次のとおりです。

  • 授業時間帯に計画時間を置いた場合、計画時間を3時間超過した以降の時間帯が延長支援時間になります
  • 授業時間帯は、本来は学校で教育が行われる時間です。学校・家庭と連携し、こども本人の意思を尊重してください。必要性を十分に検討してから、個別支援計画に位置付けます

学校や家庭との連携がないまま、授業時間帯に発達支援や延長支援を提供することは想定されていません。その必要がある状況なら、学校・家庭と連携したうえで、本加算の枠組みで支援を進めます。詳細は別紙本文の時間帯図で確認してください。

横浜市での手続き

横浜市こども青少年局障害児福祉保健課が令和7年2月4日付で示した取扱いでは、この加算の区役所への事前手続きは不要です。ただし保護者の同意は必須です。流れとしては、まず保護者から「加算算定による支援を希望する」旨を、事業所と学校へ相談してもらいます。

事業所側は、支援を始める前に保護者へ説明し、同意を得ます。説明には横浜市の案内を使います(「放課後等デイサービスを利用される方へ 個別サポート加算(III)のご案内について」)。

また、学校や保護者との連携状況について、横浜市から記録の確認を求められることがあります。その際は支援の状況を回答してください。詳細は横浜市の通知本文(出典: 障害福祉情報サービスかながわ/公益社団法人かながわ福祉サービス振興会ホームページ)を確認してください。

他の加算との関係

  • 本加算の学校との連携について、関係機関連携加算(I)(II)は算定できません
  • 本加算の家庭への相談援助について、家族支援加算は算定できません
  • 同じ「個別サポート加算」でも性格が違います。(Ⅰ)は手帳の等級など児童の属性で対象が決まります。(Ⅲ)は学校・家庭との連携という実施状況(プロセス)が要件です。対象児童の判断も記録の残し方も、(Ⅰ)とは別の観点で確認してください

この記事の対象

放課後等デイサービスの管理者・児発管・請求担当を想定しています。2026年8月7日時点の資料で確認しています。

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