加算・請求
家族支援加算は月何回まで?(Ⅰ)(Ⅱ)の違いと30分・訪問・オンラインの要件
公開 2026-08-06|更新 2026-08-17
- 執筆
- フクシルベ編集部
- 実務確認
- fukube yuta
- 最終確認
まず全体像
家族支援加算の実務フロー
- 家族への相談援助の必要性を整理し、保護者の同意を得る
- 通所支援計画に相談援助の内容と経路を位置付ける
- 居宅訪問・事業所対面・オンラインのいずれかで30分以上の相談援助を行う
- 実施日時・所要時間・経路・同席者・内容を記録する
- 多機能型では月4回の通算状況を確認する
- 請求前に計画への位置付けと記録がそろっているか点検する

家族支援加算でいちばん多い誤解は「保護者と話したら算定できる」です。実際の要件は明確で、あらかじめ保護者の同意を得て、通所支援計画に位置付けて、計画的に相談援助を行った場合に算定します。行き当たりの立ち話は対象になりません。
先に結論:月何回まで算定できるか
- 個別の相談援助が家族支援加算(Ⅰ)、グループでの相談援助が(Ⅱ)。同じ日に両方実施しても、それぞれ算定できます
- (Ⅰ)は3つの経路があります:①家族等の居宅を訪問 ②事業所で対面 ③テレビ電話装置等(オンライン)。3経路あわせて1日1回・月4回が限度です
- (Ⅱ)も対面とオンラインの2経路あわせて1日1回・月4回が限度です
| 区分 | 回数の上限 |
|---|---|
| (Ⅰ)個別(訪問・対面・オンラインの3経路の合計) | 1日1回・月4回 |
| (Ⅱ)グループ(対面・オンラインの2経路の合計) | 1日1回・月4回 |
| (Ⅰ)と(Ⅱ)を同じ日に実施 | それぞれ算定可 |
| 多機能型事業所 | 各サービスの算定回数を通算(下の「多機能型での通算に注意」参照) |
| 児童発達支援で支援を提供していない月 | 算定不可(支援を提供した日以外の相談援助は算定可) |
- 相談援助が30分に満たない場合は算定できません。ただし居宅訪問には例外があります。家族等の状況を勘案して短時間でも必要な場合と、家族側の事情で30分未満になった場合です
出典はこども家庭庁の報酬算定の留意事項通知(改正後全文)、単位数は報酬算定構造です。2026年8月6日時点の確認です。
この記事の対象
児童発達支援・放課後等デイサービスの児発管・請求担当を想定しています。加算の「家族等」には障害児のきょうだいも含まれます。
旧「家庭連携加算」で覚えている方へ
家族支援加算は、令和6年度報酬改定で家庭連携加算と事業所内相談支援加算を統合してできた加算です。旧・家庭連携加算は、居宅への訪問による相談援助でした(月4回まで)。旧・事業所内相談支援加算は、事業所内での相談援助でした(個別・グループとも月1回まで)。統合後は場所ではなく形で整理され、個別が(Ⅰ)・グループが(Ⅱ)になっています。旧制度と違い、事業所での対面やオンラインの個別相談も月4回まで算定できます。あわせて、きょうだいも相談援助等の対象であることが明確化されました。請求システムやマニュアルに旧名称が残っている場合は、読み替えてください。
(Ⅰ)個別の相談援助で押さえること
- オンラインの機器に指定はありませんが、原則として障害児や家族の表情など相談中の様子が把握できる状況で実施します。通信環境の事情でやむを得ない場合は電話等でも差し支えありません。ただし通信料の負担が家族に重くのしかかることのないよう、事前に家族の通信環境を確認する配慮が求められています
- 障害児が同席していなくても算定できます。ただし状態確認が必要な内容なら同席で行うなど、内容に応じた判断が要ります
- 事業所以外の場所で対面の個別相談援助を行った場合も算定対象です。保育所や学校など児童が長時間いる場所を訪問して相談援助を行う場合も、その保育所等と保護者の同意を得た上でなら算定して差し支えないとされています。この場合は保育所等の職員との緊密な連携が前提です
- 突発的に生じる相談援助は対象になりません。通知は例として、家族からの電話に対応する場合を挙げています。計画に位置付けた実施だけが対象です
(Ⅱ)グループでの相談援助
- (Ⅱ)も30分未満は算定できません(こちらに例外はありません)
- 対象は2人から8人までを1組として行います。同一世帯から複数人が参加する場合は1と数えます
- ペアレントトレーニングや保護者同士のピアの取組が想定されています。そのため、トレーニングの知識や家族支援の経験を持つ職員の下で行うことが望ましいとされています
- オンライン実施時の配慮や、障害児の同席の扱いは(Ⅰ)と同じ考え方です
多機能型での通算に注意
児童発達支援と放課後等デイサービス等を一体的に行う多機能型事業所があります。この場合、同一の障害児への家族相談援助の算定回数は各サービスで通算されます。サービスごとに月4回ずつ取れるわけではありません。
上限の数え方は、資料によって書き方が分かれています。留意事項通知は「算定回数は通算するものとし、その合計回数は月4回を限度とする」と書いています。一方、令和6年度改定の概要資料には「(Ⅰ)及び(Ⅱ)それぞれ月4回を超えて算定することはできない」という記載があります。区分ごとに月4回まで取れるのか、(Ⅰ)(Ⅱ)あわせて月4回なのかは、この2つの資料だけでは断定できません。多機能型で月4回を超えそうなときは、請求前に指定権者へ確認してください。
記録に残すこと(編集部の判断)
要件を満たしたことを後から説明できるよう、少なくとも次を記録します。ここは通知が様式を定めていないため、編集部が実務上必要と考える項目です。
- 実施日時と所要時間(30分要件の証拠)
- 実施経路(居宅訪問・事業所対面・オンライン)と場所
- 同席者(障害児の同席の有無)
- 相談内容と、通所支援計画のどの位置付けに対応するか
計画への位置付けと同意が先、実施と記録が後——この順番が崩れると、実施していても算定根拠を示せません。個別支援計画と5領域の記事とあわせて、計画の書き方から整えてください。
なお、支援場面を家族に見てもらいながら関わり方の相談援助を行う場合は、別の加算(子育てサポート加算)です。違いは子育てサポート加算の記事にまとめています。
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