加算・請求
延長支援加算の要件と単位数|放課後等デイサービス3時間・児童発達支援5時間からの延長
公開 2026-08-04|更新 2026-08-16
- 執筆
- フクシルベ編集部
- 実務確認
- fukube yuta
- 最終確認
まず全体像
延長支援加算を確認する実務フロー
- 運営規程と個別支援計画で基本の支援時間を確定する
- 延長支援の必要性・予定時間・保護者同意を計画へ位置付ける
- 当日の基本支援と延長支援を区分し、必要な職員体制で実施する
- 実績時刻・支援内容・理由を記録し、基本報酬と合わせて請求判定する

延長支援加算は、営業時間内に長く預かった時間を全て延長として算定する仕組みではありません。個別支援計画に定めた基本の支援時間と、その前後に計画的に行う延長支援を区別します。
実務では、計画上の時間、当日の実績、延長中の支援内容、職員体制の4点を同じ記録で確認できるようにします。
令和6年度改定で変わったこと
令和6年度報酬改定で、この加算は見直されました。改定事項の概要には、次の形で整理されています。
| 改定前 | 改定後 | |
|---|---|---|
| 延長の起点 | 営業時間(8時間以上)の前後 | 基本報酬の最長の時間区分を超えた前後 |
| 職員配置 | 人員基準により置くべき直接支援職員1名以上 | 2名以上(うち1名は人員基準により置くべき職員。児発管も含めてよい) |
| 対象児が10人を超えるとき | 記載なし | 10人またはその端数を増すごとに1名を加える |
運営規程に定める営業時間は6時間以上が要件です(放課後等デイサービスの平日は除く)。営業時間の外で行った延長支援も算定できます。Q&A VOL.3の問3が扱っているのは次の例です。9時から16時が営業時間の事業所で、8時から1時間の延長支援を行った場合です。この1時間分は算定できる、と答えています。
児童発達支援と放課後等デイサービスで起点が違う
延長の起点になるのは、基本報酬の最長の時間区分に対応した支援時間です。
| サービス | 起点になる支援時間 |
|---|---|
| 児童発達支援 | 5時間 |
| 放課後等デイサービス(平日) | 3時間 |
| 放課後等デイサービス(学校休業日) | 5時間 |
児童発達支援の延長を調べているときに、放課後等デイサービスの平日3時間だけを見ると判断を誤ります。両方を行う事業所では、サービスごとに起点が変わります。
主として重症心身障害児を通わせる事業所や共生型事業所では、基本報酬に時間区分がありません。そのため従前どおり、営業時間(8時間以上)の前後で支援を行った場合の加算になります。この場合も職員2名以上(うち1名は人員基準により置くべき職員)が必要です。
時間区分と単位数
| 延長支援時間 | 障害児 | 重症児・医療的ケア児 |
|---|---|---|
| 30分以上1時間未満 | 61単位/日 | 128単位/日 |
| 1時間以上2時間未満 | 92単位/日 | 192単位/日 |
| 2時間以上 | 123単位/日 | 256単位/日 |
計画では1時間以上で設定します。前後の両方に延長支援を行うときは、いずれも1時間以上で設定します。
30分以上1時間未満の区分は、利用者の都合などで延長時間が計画より短くなった場合に限って算定できます。最初から45分の延長を計画に書く形は想定されていません。
算定は実際に要した時間の区分で行います。ただし、あらかじめ定めた時間より長くなったときは、定めた時間で算定します。
前後の両方に延長支援を行った日の数え方
支援時間の前後に1時間ずつ延長支援を行った日は、前1時間と後1時間を別々に数えません。実際に要した時間を合計して、2時間以上の区分で算定します。Q&A VOL.3の問4に示されています。
利用者の都合で片方が1時間に満たなかった日も、合計が30分以上あれば、合計時間の区分で算定できます。
予定していない日の急な延長も算定できる
延長支援を計画的に行う中で、予定日以外に急な預かりニーズが生じることがあります。この場合も算定できます。理由と延長支援時間を記録します。
急な延長が続くときは、速やかに個別支援計画を見直します。たとえば「金曜だけ急な延長」が2か月続いている状態は、計画と実態がずれているサインです。
最初に3種類の時間を分ける
| 時間 | 意味 |
|---|---|
| 営業時間 | 事業所が営業する時間 |
| 基本の支援時間 | 個別支援計画に基づき、基本報酬の対象として計画的に支援する時間 |
| 延長支援時間 | 基本の支援時間の前後に、必要性を確かめて計画的に支援する時間 |
営業時間と基本の支援時間は同じとは限りません。送迎車の到着が早かった、保護者の迎えが一時的に遅れた、という事実だけで延長支援加算になるとは限りません。
個別支援計画へ必要性と予定時間を位置付ける
延長支援を行う場合は、本人・家族の状況をアセスメントし、個別支援計画に必要性と予定時間を記載します。あらかじめ保護者の同意を得ることも要件です。
- 延長支援が必要な理由
- 基本の支援時間
- 延長支援を予定する時間帯・時間数
- 延長中に行う支援と本人への配慮
- 送迎や保護者への引渡し方法
- 体調悪化や長時間利用時の対応
必要な理由として、改定事項の概要には次の3つが挙げられています。本人の状態、家族の事情、そして保育所など一般施策での受入先が不足していることです。「保護者の就労のため」とだけ書くのではなく、本人の生活リズムや負担、安全に過ごすための支援も検討します。
当日は基本支援と延長支援を区分して記録する
予定があっても、算定は実際に行った支援を基に判断します。次の時刻を残します。
- 事業所への到着時刻
- 基本の支援を開始・終了した時刻
- 延長支援を開始・終了した時刻
- 送迎出発または保護者へ引き渡した時刻
時刻だけでなく、延長中に誰がどのような支援を行ったかを記録します。待機場所で一人にしていた時間や、送迎車内の扱いなどは通知上の考え方を確認してください。
基本報酬を算定できない日は要注意
延長支援加算は、基本報酬が算定される支援が行われたことを前提とする加算です。基本報酬を算定できない場合に、延長支援加算だけを算定することはできません。Q&A VOL.3の問2に示されています。
同じ問では、延長支援の途中で体調不良により帰宅した例が扱われています。この場合は欠席時対応加算の算定を可能とする、という整理です。ただし本人や家族との連絡調整その他の相談援助を行い、本人の状況と相談援助の内容を記録することが条件です。
利用中止、早退、体調不良、災害など通常と異なる日は、先に基本報酬の算定可否を確認します。そのうえで延長支援加算を判定します。
他の加算と重ねて算定できるか
個別サポート加算など、他の加算と重ねて算定できるかを聞かれることがあります。併算定の制限は加算ごとに告示や通知で示されるため、重ねたい加算の側の要件から確認します。
たとえば子育てサポート加算には、改定事項の概要に次の一文があります。この加算を算定する時間帯に行う相談援助等について、家族支援加算は算定できない、というものです。「時間帯が重なる分は片方だけ」という形で示されることがあります。
延長支援加算については、まずその日の基本報酬を算定できるかを確かめます。そのうえで、重ねたい加算の最新通知と指定権者の案内で可否を確認してください。
医療的ケア児に延長支援を行うとき
医療的ケア児に延長支援を行う場合は、看護職員等を1以上配置します。医療機関等との連携などで必要な医療的ケアを提供できる体制がある場合は、配置しているものとみなせます。Q&A VOL.6の問5に示されています。
延長支援時間を通じて常に看護職員を1以上置くことまでは求められていません。ただし、必要な医療的ケアを適時適切に提供できる体制は確保します。同じQ&Aの問6にあります。
職員体制と安全を確認する
延長時間帯は職員2名以上が要件です。勤務表上は配置されていても、送迎で事業所を離れている、休憩中で支援できない、といった実態とのずれに注意します。
長時間利用による疲労、食事や水分、服薬、排せつ、静かに休める場所、災害時の避難体制も確認します。延長時間帯だけ支援内容や安全水準が大きく下がらないようにします。
管理者の視点
この加算は、預かり時間を伸ばした分の収入として見えます。ただし実地指導で確かめられるのは時間そのものではありません。計画と体制と記録です。
先に見られるのは2点です。個別支援計画に延長の必要性と時間が入っているか。その日の職員2名を勤務実績で説明できるか。どちらも請求データだけでは示せません。
だからこそ、月末の請求前にまとめて見直すより、計画を作った時点で確認する方が手戻りが少なくなります。時間区分と単位数は改定で変わるため、年度をまたぐときは数字も見直してください。
請求前チェック
- 計画作成・変更と保護者同意が実施前に完了している
- 基本の支援時間と延長支援時間が区別されている
- 当日の実績時刻がサービス提供記録、送迎記録、請求データで一致する
- 延長中の具体的な支援内容と担当者が記録されている
- 延長時間帯の職員2名以上を勤務実績で確認できる
- 基本報酬を算定できる日である
- 現在の時間区分と単位数を最新通知で確認した
よくある見直しサイン
- 全利用児童の基本支援時間が営業時間と同一になっている
- 迎えの遅れを事後的に延長支援として扱っている
- 延長中の記録が「見守り」の一文だけである
- 送迎記録と実績記録の終了時刻が異なる
- 延長時間帯の職員が送迎に出ており、事業所内の体制を説明できない
- 計画の予定時間と実際の利用が継続的にずれている
公式資料
時間区分、職員要件、送迎時間の扱い等は改定や個別事情で判断が変わります。請求前に最新通知と指定権者の案内を確認してください。
記事を読んだあとに
実務資料・公式資料を確認する
フクシルベの実務資料は日々の整理用です。様式・要件・提出先は更新されることがあるため、実際の手続きや請求の前に配布元の最新版を確認してください。
この記事に誤りがありませんか
公式資料は予告なく変わります。内容が古い・事実と違う・リンクが開けないなどにお気づきの場合は、編集部までお知らせください。
