人員配置
専門的支援体制加算とは|実施加算との違い・単位数・福祉専門職員配置等加算との区別
公開 2026-08-06|更新 2026-08-17
- 執筆
- フクシルベ編集部
- 実務確認
- fukube yuta
- 最終確認
まず全体像
算定までの実務フロー
- 基準人員(給付費の算定に必要な員数)を先に確定する
- 上乗せする専門職の資格と、資格取得後の児童福祉事業経験5年を証明書で確認する
- 常勤換算で1以上になるか勤務時間を計算する
- 基準人員・加配加算・本加算で同じ時間を二重に数えていないか勤務表で確認する
- 体制届を提出する
- 毎月、個別支援計画の作成状況と配置実績を確認してから請求する

名前の似た加算が2つあります。まず違いを即答します。
- 専門的支援体制加算 — 理学療法士等を常勤換算1以上配置した体制への加算。1日につき、利用定員に応じた単位数(放課後等デイサービスは定員10人以下で123単位)
- 専門的支援実施加算 — 理学療法士等が個別・集中的な支援を実施した回への加算。1回150単位で、月の回数に上限あり
体制加算の要件は、人員の上乗せです。基準人員と児童指導員等加配加算の人員に加えて、理学療法士等を常勤換算1以上置きます。同じ人の同じ勤務時間を、基準人員・加配加算・この加算のうち2つ以上で数えることはできません。
最初につまずくのは、「うちのOTの勤務時間は、基準人員と加算のどちらで数えているのか」に答えられなくなる場面です。まず勤務時間の割り振りを決めてください。
先に結論
- 給付費の算定に必要な員数に加えて、理学療法士等を常勤換算で1以上置きます
- 加配加算を算定しているなら、その員数も「必要な員数」に含めます
- 「理学療法士等」に入るのは、次の職種です
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 心理担当職員
- 視覚障害児支援担当職員
- 保育士・児童指導員は、児童福祉事業の経験5年以上の人だけ
- この経験5年は児童指導員等加配加算と数え方が違います。ここが実務の罠です
- 検索でよく混同される福祉専門職員配置等加算は、これとは別の加算です。後の節で区別します
- 個別支援計画(通所支援計画)を作成していない児童の分は算定できません
出典はこども家庭庁の報酬算定の留意事項通知(改正後全文)と、報酬告示(平成24年厚生労働省告示第122号)です。単位数は報酬算定構造でも確認できます。
この記事の対象
読み手は、児童発達支援・放課後等デイサービスの管理者と請求担当です。制度は2026年8月時点の資料で確認しています。
体制加算と実施加算の違い
| 専門的支援体制加算 | 専門的支援実施加算 | |
|---|---|---|
| 何を評価するか | 理学療法士等を置いた体制 | 専門的な支援を実施した回 |
| 単位数 | 定員別(下の表) | 1回150単位 |
| 算定の単位 | 1日につき | 1回につき |
| 回数の上限 | なし(日ごと) | 放デイは計画に位置付けた日数に応じ月2回・4回・6回。児発は月4回・6回 |
実施加算の回数上限は、告示が「放課後等デイサービス計画に位置付けられた日数に応じ1月に2回、4回又は6回を限度」と定めています。児童発達支援は「1月につき4回又は6回を限度」です。実施加算の中身は専門的支援実施加算の記事で扱っています。
体制加算の単位数(1日につき)
報酬告示から、定員別にそのまま抜きます。
放課後等デイサービス・児童発達支援(センター以外)
| 利用定員 | 単位数 |
|---|---|
| 10人以下 | 123単位 |
| 11人以上20人以下 | 82単位 |
| 21人以上 | 49単位 |
児童発達支援センター
| 利用定員 | 単位数 |
|---|---|
| 30人以下 | 41単位 |
| 31人以上40人以下 | 35単位 |
| 41人以上50人以下 | 27単位 |
| 51人以上60人以下 | 22単位 |
| 61人以上70人以下 | 19単位 |
| 71人以上80人以下 | 16単位 |
| 81人以上 | 15単位 |
主として重症心身障害児を通わせる事業所
| 利用定員 | 単位数 |
|---|---|
| 5人 | 247単位 |
| 6人 | 206単位 |
| 7人 | 176単位 |
| 8人 | 154単位 |
| 9人 | 137単位 |
| 10人 | 123単位 |
| 11人以上 | 82単位 |
福祉専門職員配置等加算は別の加算
「体制加算」で検索すると、この加算と福祉専門職員配置等加算が混ざって出てきます。別の加算です。児童発達支援・放課後等デイサービスにも実在します。
| 区分 | 単位数(1日につき) | 主な要件 |
|---|---|---|
| 福祉専門職員配置等加算(Ⅰ) | 15単位 | 常勤の児童指導員のうち、社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・公認心理師の割合が35%以上 |
| 福祉専門職員配置等加算(Ⅱ) | 10単位 | 同じ割合が25%以上 |
| 福祉専門職員配置等加算(Ⅲ) | 6単位 | 児童指導員・保育士のうち常勤の割合が75%以上、または常勤のうち3年以上従事する人の割合が30%以上 |
見る場所がまったく違います。
- 専門的支援体制加算 — 基準人員の外。理学療法士等を上乗せで置いたか
- 福祉専門職員配置等加算 — 基準人員の中。置くべき児童指導員の資格と常勤の割合
つまり、福祉専門職員配置等加算のためにOTを新しく雇う必要はありません。逆に、社会福祉士の割合を上げても専門的支援体制加算にはつながりません。なお(Ⅰ)〜(Ⅲ)は同時に算定できません。上位の区分を1つだけ算定します。
経験年数の数え方が加配加算と違う
保育士・児童指導員を「理学療法士等」として置く場合の経験5年には、留意事項通知が2つの限定を付けています。
- 資格取得(任用)後の児童福祉事業の経験だけを数えます
- 特別支援学校・特別支援学級・通級による指導での教育の経験は含みません
児童指導員等加配加算の「経験5年」は、資格を取る前の経験も数えられる整理です。くわしくは加配加算の経験5年の記事にまとめています。
そのため、同じ職員でも加配加算では5年に届き、この加算では届かないことが起こります。証明書を集める段階で、どちらの加算の要件として数えたかを分けて記録してください。
常勤と常勤換算はどう数えるか
言葉を分けます。
- 常勤 — その事業所での勤務時間が、事業所で定めた「常勤の従業者が勤務すべき時間数」に達していることです。この時間数が1週間に32時間を下回る場合は、32時間を基本とします
- 常勤換算 — 従業者の勤務延べ時間数を、常勤が勤務すべき時間数で割った値です。週20時間の非常勤2人なら、常勤の所定が週40時間の事業所では常勤換算1.0になります
体制加算の「常勤換算1以上」は、1人の常勤でも、非常勤の組み合わせでも満たせます。福祉専門職員配置等加算の(Ⅰ)(Ⅱ)が求めるのは常勤の児童指導員なので、こちらは非常勤の組み合わせでは満たせません。ここも2つの加算で扱いが違います。
兼務の確認は次の通りです。
- 多機能型事業所で児童発達支援と放課後等デイサービスを兼務する職員がいます。この場合は両方の勤務時間の合計で見ます。合計が所定時間に達していれば、常勤換算の要件を満たします
- 常勤換算の計算そのものは常勤換算の自動計算で確認できます
- 児発管や管理者との兼務の考え方は兼務の記事にあります
勤務表では、時間ごとの枠を色分けしてください。「この時間は基準人員」「この時間は加配」「この時間は体制加算の専門職」と説明できる状態にします。これが運営指導でも請求でも一番強い形です。
算定前の最終チェック
- 個別支援計画を作成していない児童については算定できません。新規利用児の計画作成が追いつかないまま請求すると、その児童の分だけ算定不可です
- 体制の届出(体制届)を出してから算定を始めます。届出先はお住まいの指定権者です
- 横浜市の場合の提出の入口は変更届・体制届の実務ナビにまとめています
この加算の実体は「専門職を雇ったから加算」ではありません。誰の・どの時間を・どの枠で数えるかを勤務表で説明できることです。
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